アロマの使い方完全ガイド|年齢・性別で香りを選ぶコツ
- MARUCUブログ担当
- 6月6日
- 読了時間: 21分

1. アロマと精油の基礎知識

1.1 精油とは何か?
アロマに使われる「精油(エッセンシャルオイル)」は、植物から抽出された100%天然の芳香成分の集合体。葉・花・果皮・樹脂などの部分から抽出され、それぞれの植物が持つ特有の香りや成分が凝縮されています。
精油は単なる「いい香り」ではなく、薬理作用を持つ成分が含まれているのが特徴です。そのため、香りを楽しむだけでなく、心身にさまざまな影響を与える力があります。
たとえば、以下のような成分がよく知られています。
リナロール(ラベンダーなどに含まれる):鎮静・リラックス作用
1,8-シネオール(ユーカリやローズマリー):呼吸器のサポート・抗菌作用
シトラール(レモングラスなど):抗菌・虫除け効果
メントール(ペパーミント):冷感作用・消化促進
これらの成分は、芳香成分として嗅覚から脳に伝わり、自律神経やホルモンバランスに働きかけます。また、肌から吸収されることで血流に乗り、全身に作用することもあります。
つまり、精油は香りを楽しむだけでなく、心と身体の両面に働きかける自然の力そのものです。
なお、アロマオイルという言葉もよく使われますが、「アロマオイル=香りのあるオイル」であり、人工香料や混合オイルを含む場合があります。一方、精油はあくまで天然100%であることが求められます。間違えて合成香料を使ってしまうと、期待するリラックス効果や健康作用が得られないだけでなく、肌トラブルや刺激の原因になることも。
精油を選ぶ際は、「学名」「抽出部位」「抽出方法」「原産国」「成分分析表(ロット番号)」などが記載された信頼できる製品を選ぶことが大切です。
1.2 精油の主要成分とその効果
精油に含まれる芳香成分は数百種類にも及びますが、その中でも代表的な成分には、それぞれ明確な働きがあります。こうした成分の組み合わせによって、精油ごとの個性や効能が生まれます。
以下に、よく使われる精油の主要成分とその効果をいくつか紹介します。
主な精油成分とその作用
リナロール(ラベンダー、ベルガモットなど) → 鎮静作用、抗不安作用、血圧低下作用 → 夜のリラックスタイムやストレス軽減にぴったり
ゲラニオール(ゼラニウム、ローズなど) → ホルモンバランス調整、抗菌・抗炎症作用 → 月経前後の不調が気になるときにおすすめ
1,8-シネオール(ローズマリー、ユーカリなど) → 呼吸器系サポート、抗ウイルス作用 → 花粉の季節や風邪予防としても役立つ
シトロネラール(レモングラス、シトロネラなど) → 虫除け、抗菌作用、鎮静作用 → 夏場の屋外シーンやリフレッシュタイムに向いている
メントール(ペパーミント) → 冷却作用、消化促進、集中力アップ → 頭をすっきりさせたい朝に適している
精油は単一成分で構成されているわけではなく、複数の成分が相乗的に働くことで、心身への穏やかで多面的なアプローチが可能になります。
たとえば、ローズマリーの精油には「1,8-シネオール」や「カンファー」が含まれています。
これにより、
呼吸を楽にする
集中力を高める
筋肉のこりを和らげる
といった多機能な働きが期待できます。
また、ラベンダーは「リナロール」「酢酸リナリル」を多く含み、リラックス作用とともに鎮静・鎮痛効果があることから、睡眠前のアロマとして人気が高いです。
精油の使い方を考えるときは、香りの印象だけでなく、含有成分がどんな効果をもたらすかに注目すると、自分にぴったりの精油を見つけやすくなります。
香りの心地よさと、成分による確かな作用を両立できるのが、アロマの魅力のひとつです。
1.3 精油とアロマオイルの違い
「アロマオイル」と「精油(エッセンシャルオイル)」、名前は似ていますが、中身と用途は大きく異なります。誤って選んでしまうと、アロマの本来の効果が得られないだけでなく、肌トラブルなどを引き起こす原因にもなります。
まずは、それぞれの特徴を明確に整理しておきましょう。
精油(エッセンシャルオイル)の特徴
植物100%の天然成分のみで構成される
水蒸気蒸留法、圧搾法などで抽出される
成分には薬理作用があり、身体や心に作用する
成分表示に「学名」「抽出部位」「抽出法」などの詳細がある
香りだけでなく、体調管理や美容目的にも使える
アロマオイルの特徴
精油に植物油やアルコールを混ぜたもの
または合成香料を含む場合もある
香りを楽しむ目的で作られた製品が多い
成分表示が簡素、または記載がない場合も
安価で手に入るが、効果や安全性は精油に劣る
このように、精油は「植物の命を凝縮した成分」であり、アロマオイルは「香りを楽しむための製品」と考えるのが適切です。
特に注意したいのが、肌に塗る・吸入するなど体内に取り込む使い方をする際。アロマオイルには人工香料や合成添加物が含まれている可能性があり、肌荒れやアレルギー反応を起こすリスクがあります。
また、精油には揮発性があるため、保存方法や使用量にも細かい注意が必要です。蓋を開けっぱなしにしたり、高温多湿の場所に保管すると、成分が変化してしまい、本来の効果が薄れてしまうこともあります。
目的に応じて、信頼できる精油を選び、正しく使うことがアロマを安全に楽しむための第一歩です。
2. 年齢別のアロマの選び方と使い方

2.1 10代〜20代:心身のバランスを整えるアロマ
10代から20代前半は、心と体が大きく変化する時期です。学校生活や進学、就職などでプレッシャーを感じやすく、睡眠の質や集中力の低下が気になることも少なくありません。
そんな時期にこそ、香りの力でメンタルとコンディションを整えるアロマの活用が効果的です。
この年代におすすめの精油とその効果
ラベンダー(主要成分:リナロール、酢酸リナリル) → 自律神経を整え、緊張をゆるめる働きがある → 勉強前のイライラや就寝前のリラックスにぴったり
スイートオレンジ(主要成分:リモネン) → 前向きな気分に導き、気分転換に効果的 → 気が重い朝や、人間関係に悩む時におすすめ
ペパーミント(主要成分:メントール、メントン) → シャキッとした刺激で集中力を高める → テスト勉強や頭をすっきりさせたいときに役立つ
この年代では、気分の浮き沈みやホルモンの影響による不調が起こりやすいため、感情に直接働きかける精油が特に効果的です。
取り入れやすい使用シーン
朝の支度中にディフューザーで香らせる
勉強机にアロマストーンを置いて、集中したいときに活用
就寝前、枕元にラベンダーを垂らしたティッシュを置く
忙しい毎日の中でも、香りを通してほんの数分、自分と向き合う時間を持つことで、心のバランスが整いやすくなると言われています。
2.2 30代〜40代:ストレスケアとリフレッシュ
30代から40代にかけては、仕事・家庭・人間関係など多くの役割を抱える年代。時間に追われる毎日の中で、慢性的なストレスや疲れを感じることが増えるのがこの時期の特徴です。
また、ホルモンバランスの変化や睡眠の質の低下、イライラや焦燥感など、心と体の不調が表れやすくなります。アロマの力を借りて、ストレスを手放しリフレッシュすることがとても大切です。
この年代におすすめの精油とその効果
ゼラニウム(主要成分:ゲラニオール、シトロネロール) → ホルモンバランスの調整や緊張の緩和に効果的 → 気分の浮き沈みが気になるときに適している
ローズマリー(主要成分:1,8-シネオール、カンファー) → 集中力と記憶力をサポート、頭のリフレッシュに効果大 → 忙しい朝や仕事モードに切り替えたいときにぴったり
フランキンセンス(主要成分:α-ピネン、リモネン) → 深いリラックスを促し、呼吸を整える → 瞑想や睡眠前に使うと気持ちを静めやすくなる
この年代では、ストレスを解消しつつ、前向きな気持ちを引き出すアロマのブレンドが効果的です。
日常に取り入れる方法
仕事前にローズマリー+レモンをディフューザーで
帰宅後、ゼラニウムをお風呂に2~3滴垂らしてアロマバスに
寝室でフランキンセンスを使って深い呼吸とともにリラックス
ストレスが積もる前に、アロマで小さなリセット時間をつくることが、健康とパフォーマンス維持につながります。
2.3 50代以上:リラクゼーションと健康維持
50代以降は、体力や代謝の変化、睡眠の質の低下、加齢に伴う不調などが気になり始める年代です。心身の不調を予防し、日々を穏やかに過ごすためにアロマを取り入れることが非常に効果的です。
また、気分の落ち込みや孤独感を感じやすくなる傾向もあるため、リラックス効果だけでなく「気分を明るく保つ」香りが求められることもあります。
この年代におすすめの精油とその効果
ラベンダー(主要成分:リナロール、酢酸リナリル) → 自律神経を整え、安眠をサポート → 入眠前に心を静める香りとして定番
クラリセージ(主要成分:酢酸リナリル、スクラレオール) → ホルモンバランスをサポートし、更年期症状の緩和に役立つ → 気分の波が気になる時期にも使える
サンダルウッド(主要成分:α-サンタロール) → 深いリラクゼーションと精神の安定を促す → 呼吸を整え、瞑想や就寝前に向いている
年齢に応じた体調の変化を穏やかにサポートし、心と体に寄り添ってくれる香りを選ぶことがポイントです。
日常に取り入れたい使い方
夜のリラックスタイムにラベンダーの芳香浴
更年期の不調が気になるときは、クラリセージをキャリアオイルに混ぜてハンドマッサージ
呼吸が浅くなりがちなときは、サンダルウッドをティッシュに1滴垂らして深呼吸
アロマは加齢による心身の変化を穏やかに受け止め、自分らしい日常を支えるサポート役になります。
3. 性別によるアロマの選び方と使い方

3.1 女性におすすめのアロマとその効果
女性の身体は、月経・妊娠・更年期など、ライフステージごとに大きく変化します。そのため、心と体のバランスを整えたり、ホルモンの変動による不調をやわらげたりする精油が特に有効とされています。
また、感情の起伏やストレスにも敏感になりやすく、香りを通じて気持ちを切り替える時間が、日常のセルフケアとして重要になります。
女性に人気の高い精油とその成分・効果
ゼラニウム(主要成分:ゲラニオール、シトロネロール) → 女性ホルモン様作用があり、PMSや更年期のサポートに適している → 気分の落ち込みや情緒不安定を和らげる働きも
イランイラン(主要成分:β-カリオフィレン、ゲルマクレンD) → 緊張を解きほぐし、幸福感を高める効果がある → 自分を癒す時間にぴったりな濃厚な花の香り
クラリセージ(主要成分:酢酸リナリル、スクラレオール) → エストロゲン様作用があり、月経前後の不調や更年期に有用 → 心のバランスを整えるとともに、深い眠りもサポート
ローズ(主要成分:シトロネロール、ゲラニオール) → 自己肯定感を高め、情緒を安定させる効果がある → 美容目的でも高い支持を受ける香り
香りを通じてホルモンバランスに働きかけたり、感情のコントロールをサポートするのが、女性にとってのアロマの大きな魅力です。
取り入れやすい活用法
クラリセージ+ラベンダーで、就寝前のアロマバス
朝の準備時にゼラニウムをハンカチに1滴
月経前のリラックスタイムにイランイランのディフューズ
女性のライフステージに寄り添ってくれるアロマは、心と体を整えるセルフケアのパートナーとしてとても頼れる存在です。
3.2 男性におすすめのアロマとその効果
男性がアロマを取り入れる理由は、仕事によるストレスの緩和、集中力の向上、疲労回復、睡眠の質改善などが中心になります。日常的にプレッシャーを感じやすい環境にある男性にとって、香りによる自律神経の調整は大きな助けになります。
また、男性は香りに対して「甘すぎない」「爽やか」「清潔感がある」といった印象を求める傾向があるため、ウッディ系やハーブ系の香りが好まれる傾向があります。
男性におすすめの精油とその成分・効果
ローズマリー(主要成分:1,8-シネオール、カンファー) → 脳の働きを活性化し、集中力や記憶力を高める → 仕事のパフォーマンスを高めたい朝や昼におすすめ
ユーカリ(主要成分:1,8-シネオール) → 抗ウイルス・抗炎症作用に優れ、呼吸を楽にする → 花粉や風邪予防、頭をクリアにしたいときに活躍
サイプレス(主要成分:α-ピネン、セドロール) → 緊張をやわらげ、気持ちを静める → 会議やプレゼン前の不安感の緩和に有効
シダーウッド(主要成分:セドロール、ヒマカレン) → 安眠効果、精神の安定、グラウンディング作用 → 寝る前のリラックスタイムに向いている
ウッディ系やハーブ系の香りは、落ち着きや信頼感を演出しつつ、心身にじんわりとした安心感をもたらしてくれるのが特徴です。
生活に取り入れやすいシーン
朝、ローズマリーを1滴ティッシュに垂らして通勤時に香らせる
就寝前、シダーウッドをディフューザーで使用し、深い呼吸でリラックス
スポーツ後や疲れた夜にユーカリをバスソルトと一緒に浴槽へ
香りは目に見えないけれど、日々の疲れや緊張をじんわりほどいてくれる静かなサポート役になります。
3.3 性別を問わず使えるユニセックスなアロマ
アロマと聞くと「女性向け」というイメージを持たれがちですが、性別に関係なく使える香りや目的に合った精油は数多くあります。 香りの好みや求める効果は個人差が大きく、性別にとらわれず自由に選ぶことが大切です。
特に、日常のストレスケアや集中力のサポート、睡眠の質改善といった目的で使われるアロマは、男女問わず活用できます。
ユニセックスで使いやすい精油とその効果
ラベンダー(主要成分:リナロール、酢酸リナリル) → 心身の緊張を和らげ、睡眠の質を高める万能精油 → 仕事や育児、介護などあらゆる生活シーンで活躍
レモン(主要成分:リモネン、β-ピネン) → 気分をリフレッシュし、集中力を高める → 在宅ワークや勉強中の気分転換にもおすすめ
ティートゥリー(主要成分:テルピネン-4-オール、γ-テルピネン) → 強い抗菌・抗ウイルス作用があり、風邪予防や空気の浄化に最適 → 季節の変わり目や人が集まる空間でも使いやすい
ヒノキ(主要成分:α-ピネン、リモネン) → 森林浴のような落ち着きを感じられるウッディ系の香り → 年齢や性別に関係なく、安らぎを与える
性別やライフスタイルに関係なく、「誰にとっても心地よい香り」としてのアロマは、家族やパートナーと一緒に使いやすいのが魅力です。
ユニセックスに使えるシーン
家族全員が使う寝室でラベンダーをディフューズ
勉強や仕事の合間にレモンやペパーミントを1滴垂らす
帰宅後、ティートゥリーを玄関で香らせて空間の浄化に活用
香りは個性を尊重するもの。誰でも自分にとって心地よい香りを選ぶことができる、それがアロマの最大の魅力です。
4. アロマの具体的な使い方

4.1 芳香浴・マッサージ・入浴での使い方
精油を生活に取り入れる方法はさまざまありますが、なかでも日常で手軽に始められるのが「芳香浴」「マッサージ」「入浴」の3つです。使い方によって効果の出方や体感が変わるため、目的に合わせて使い分けるのがポイントです。
芳香浴(空気中に香りを拡散する方法)
部屋全体に香りを広げることで、自律神経や感情に穏やかに働きかけるのが芳香浴の目的です。方法はいくつかあります。
ディフューザー → 超音波や熱で香りを広げる器具。部屋全体に香りが広がる → 3〜5滴が目安。使用時間は30分〜1時間が理想
アロマストーン/アロマウッド → 火や電気を使わず、精油をしみ込ませて香る自然な方法 → 枕元やデスクなど、限られた空間に適している
ティッシュやハンカチに垂らす → 外出先や手軽に香りを楽しみたいときに便利 → 精油を1滴だけ使い、鼻元でゆっくり深呼吸する
空気中に漂う香りは、嗅覚を通じて脳へダイレクトに届き、リラックスや集中力アップに効果的です。
マッサージ(精油を肌から吸収させる方法)
精油をキャリアオイル(ホホバ油、スイートアーモンド油など)で希釈して使うことで、香りと有効成分の両方を肌から吸収できます。
希釈濃度の目安は1%(キャリアオイル10mlに対し精油2滴)
肩こり、脚のむくみ、手の疲れなどに直接アプローチできる
香りを楽しみながら血行促進や筋肉の緊張緩和も期待できる
※精油を原液のまま肌に塗るのは厳禁。必ず希釈が必要です
入浴(バスアロマ)
お風呂に精油を加えることで、香りによるリラックスと皮膚からの吸収が同時に行えるのがアロマバスの利点です。
バスタブに2〜3滴の精油を入れる(直接ではなく、バスソルトや牛乳に混ぜるとよく混ざる)
精油が湯面に浮くため、使用前に必ずよくかき混ぜる
肌が敏感な人は、柑橘系や刺激の強い精油は避けるのが無難
お風呂で使うアロマは、1日の疲れを癒し、自律神経を整える時間にぴったりです。
4.2 効果的に使うためのコツとアドバイス
アロマを日常に取り入れているのに「なんとなく効いている気がしない」と感じることはありませんか?それは使い方のタイミングや方法、香りの選び方に原因があるかもしれません。せっかくのアロマ効果を最大限に引き出すためには、いくつかの工夫が必要です。
以下のコツを実践するだけで、アロマの感じ方がぐっと変わってきます。
効果を高めるためのポイント
香りの目的を明確にする → リラックス、集中、安眠、リフレッシュなど目的に応じて精油を選ぶことで、ブレがなくなり効果が実感しやすくなる。
使う時間帯に合わせて精油を選ぶ → 朝はローズマリーやレモンなどシャープな香りでスイッチオン。夜はラベンダーやフランキンセンスで副交感神経を優位に。
深呼吸を意識する → アロマの香りを吸い込むときは、意識してゆっくり深呼吸することで嗅覚からの刺激が脳に伝わりやすくなる。
香りをルーティン化する → 就寝前に同じ香りを使う習慣を持つと、香りと行動が結びつき「この香りを嗅ぐと眠れる」と脳が記憶するようになる。
気分に合わない日は無理に使わない → 香りへの感受性は日によって変わる。無理に使うよりも「今日はお休み」とすることも大切。
アロマ活用を習慣にするための工夫
朝、洗顔後に精油入りのスプレーを1プッシュして気分転換
仕事の合間にアロマペンダントを嗅ぐルーチンを設定
おやすみ前にディフューザーのスイッチを入れるタイミングを歯磨き後に固定する
生活の中の“ついで”に香りを取り入れることで、アロマは無理なく自然に習慣化できるようになる。
注意:効果を急ぎすぎない
精油の働きはじわじわと体や心に染み込むもの。即効性を期待して使いすぎたり、結果を急ぎすぎると逆効果になる場合もあります。「香りに触れる時間があるだけで十分」という心持ちが、より穏やかで健やかな日常につながっていきます。
アロマを続けるコツは、“香りを味方にする”という柔軟な発想。日常に自然に溶け込むことで、その効果は最大限に発揮されます。
5. 精油の成分とその効果

5.1 ローズマリーの主要成分と効能
ローズマリーは、ハーブ系の中でも特に人気の高い精油の一つ。シャープで清涼感のある香りが特徴で、集中力アップや気分のリフレッシュに効果的です。古くから「記憶のハーブ」として知られ、学生やビジネスパーソンから高い支持を得ています。
ローズマリーの精油には、主に3つのタイプがあり、それぞれ含まれる成分が異なります:
ローズマリーの主なケモタイプと成分
タイプ | 主成分 | 特徴・作用 |
1,8-シネオール型 | 1,8-シネオール、α-ピネン | 呼吸器系に作用、集中力・抗ウイルス効果が高い |
カンファー型 | カンファー、ボルネオール | 筋肉疲労や血行促進に有効、スポーツ後におすすめ |
ベルベノン型 | ベルベノン、酢酸ボルニル | 肝機能のサポートや皮膚再生作用があり、スキンケア向き |
中でも「1,8-シネオール型」は、頭をすっきりさせたいときや、朝のスタートに最適な成分を多く含むため、日常使いに向いています。
主な成分の働き
1,8-シネオール → 脳の血流を促進し、集中力・記憶力を高める。 → 抗ウイルス・去痰作用もあり、鼻づまりや咳にも有効。
カンファー → 筋肉の緊張を和らげ、血行を促進。 → リフレッシュ効果があり、疲労回復にも役立つ。
ベルベノン → 肝臓や消化器への穏やかな作用、ホルモン調整のサポート。 → 肌のターンオーバー促進効果も期待される。
ローズマリー精油の活用シーン
朝、1滴ティッシュに垂らして深呼吸しながら仕事モードに切り替える
デスクワーク中にディフューザーで香らせて集中力維持
肩や首のコリがつらいときに、カンファー型をオイルマッサージに使用
注意点
高血圧やてんかんのある人は使用を避けるべきとされる成分(特にカンファー型)を含むため、体質に合わせた選択が必要
妊娠中は使用を控える
ローズマリーは用途に応じて選び分けることで、集中力アップ、呼吸のサポート、スキンケアまで多彩な効果が期待できる万能型精油です。
5.2 他の代表的な精油の成分と効果
アロマテラピーでよく使われる精油には、それぞれに特徴的な香りと薬理作用があります。香りの印象だけでなく、含まれる成分がもたらす具体的な効果を理解することで、目的に合った精油選びがしやすくなります。
ここでは、代表的な精油5種とその主要成分、働きを詳しく解説します。
1. ラベンダー(Lavandula angustifolia)
主要成分:リナロール、酢酸リナリル
作用:鎮静、鎮痛、抗炎症、安眠
精神的な緊張をやわらげ、ストレスや不安感を緩和する。
眠れない夜やリラックスしたいときに最適。
2. ティートゥリー(Melaleuca alternifolia)
主要成分:テルピネン-4-オール、γ-テルピネン
作用:抗菌、抗ウイルス、免疫強化
ニキビや肌荒れ、風邪の予防に有効。
空気の浄化や感染対策に使われることが多い。
3. ペパーミント(Mentha piperita)
主要成分:メントール、メントン
作用:冷却、消化促進、鎮痛、覚醒
頭をすっきりさせたいときや、乗り物酔いの予防に適している。
筋肉痛や肩こりにも効果を発揮する。
4. ゼラニウム(Pelargonium graveolens)
主要成分:ゲラニオール、シトロネロール
作用:ホルモン調整、抗炎症、鎮静
女性特有の不調や、感情の波があるときのバランス調整に向いている。
皮脂バランスの調整にも役立つため、スキンケアにも人気。
5. フランキンセンス(Boswellia carterii)
主要成分:α-ピネン、リモネン
作用:鎮静、呼吸促進、抗炎症、再生促進
心を落ち着けて深い呼吸へと導く。
スピリチュアルな場面や瞑想時にも使われる精油。
それぞれの精油は、含まれる成分によって働きが異なります。同じ「リラックス」と言っても、香りの種類や使うタイミングによって最適な選択肢は変わってきます。
成分による選び方の視点
精神面へのアプローチが欲しい場合:リナロール、酢酸リナリル
抗菌・抗ウイルス目的なら:テルピネン-4-オール、1,8-シネオール
筋肉疲労や痛みを和らげたいとき:メントール、カンファー
ホルモンバランスのサポートが必要なとき:ゲラニオール、スクラレオール
香りの“好き嫌い”だけでなく、“どうなりたいか”という目的を明確にすることで、効果的なアロマ活用につながります。
5.3 成分から選ぶアロマのポイント
アロマを選ぶとき、多くの人は「好きな香り」や「人気の精油」から探しがちですが、成分に注目して選ぶことで、より目的に合った効果的なアロマ体験ができます。特に、心身に対して働きかけたい具体的な悩みがある場合、成分から選ぶ方法は非常に有効です。
ここでは、代表的な成分とその効果、目的別の選び方のポイントを紹介します。
よく使われる成分とその働き
成分名 | 含まれる主な精油 | 主な効果 |
リナロール | ラベンダー、ベルガモット | 鎮静、抗不安、神経の緊張緩和 |
1,8-シネオール | ローズマリー、ユーカリ | 集中力向上、呼吸器ケア、抗菌 |
メントール | ペパーミント | 冷却作用、覚醒、頭痛・筋肉痛緩和 |
ゲラニオール | ゼラニウム、ローズ | ホルモンバランス調整、皮膚再生 |
テルピネン-4-オール | ティートゥリー | 抗菌・抗ウイルス、免疫力サポート |
リモネン | レモン、オレンジ | 気分高揚、消化促進、リフレッシュ |
このように、成分にはそれぞれに明確な働きがあり、「香りの好み」ではなく「求める効果」から逆算することで、最適な精油が見つかりやすくなります。
成分から選ぶときのポイント
目的を明確にする → 「リラックスしたい」「風邪を予防したい」「集中力を上げたい」など、具体的なテーマを決めてから精油を探す。
成分の濃度や含有バランスを確認する → 同じ精油名でも産地やロットによって成分の含有率が異なることがあるため、成分分析表(GC/MSデータ)をチェックできる精油を選ぶと安心。
体調や体質に合った成分を選ぶ → 高血圧、妊娠中、子ども向けなど、注意が必要な成分もあるため、信頼できる情報源から確認する。
実践的な選び方の一例
ストレスで夜眠れない人には… → リナロールや酢酸リナリルが多く含まれるラベンダーやクラリセージ
風邪予防をしたい季節には… → テルピネン-4-オール(ティートゥリー)、1,8-シネオール(ユーカリ)
集中力が必要な作業時には… → 1,8-シネオール(ローズマリー)、リモネン(レモン)
成分から選ぶアロマは、より科学的で納得感のある選択につながり、使用時の満足度も高まります。
6. まとめ

これまで見てきたように、アロマは年齢や性別、そしてその人の体調や生活リズムに合わせて、最適な香りと精油を選ぶことが大切です。すべての人に共通する“万能な香り”は存在しないからこそ、「自分に合うアロマ」を見つけることが、日々のケアの質を大きく左右します。
年代別に見る選び方のポイント
10〜20代:心のバランスを整える香りが中心。ラベンダーやオレンジで、ストレスケアと集中力アップを両立。
30〜40代:仕事や家庭での多忙さをサポートする香り。ローズマリーやゼラニウムで、疲労回復やホルモンバランスの安定を。
50代以上:体調管理と深いリラクゼーションがテーマ。サンダルウッドやクラリセージで、穏やかな時間をサポート。
性別に応じた活用傾向
女性:ホルモンの変化に寄り添う香り。ゼラニウムやイランイランなど、心身のバランスを整える精油が効果的。
男性:仕事や緊張感を和らげる香り。ローズマリーやユーカリなど、集中力と清涼感を重視した精油が好まれる。
香りは目に見えないけれど、自分を取り戻す大事な“空間づくり”の要素になります。
成分の働きを理解したうえで、今の自分に必要なアロマを選ぶことで、香りは単なる嗜好品ではなく、日常の健康維持・心のケアの有力なツールになります。
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